時を越えてくる文学。

須賀敦子全集 第1巻 (河出文庫)

須賀敦子全集 第1巻 (河出文庫)

留学前に読み倒した須賀敦子。時を経て、再び読み返すとあのころピンと来なかった事象のいくつかが私の中でも静かに腑に落ちて、いても立ってもいられなくなるのである。
須賀敦子はいけない。ささいなノスタルジーが、私に波風を立てるのである。
孤独であることの確立が、人を強くするのか。
けれど、強くなくてもいい。強くありたくない、という思いも私の中にある。甘えではない、もっと別の次元の話だ。