一本気。

エスター・カーン めざめの時 [DVD]

エスター・カーン めざめの時 [DVD]

デプレシャン監督ということで、フランス映画かと思いきやロンドンが舞台の英語劇。しまった…と思ったのは、最初の話で、19世紀もの、しかも舞台はイギリスなのが実は好きなのであった。しばらく忘れとったよ。
この監督特有の冗長な感じは、好みがわかれそうだけど、登場人物たちの隙間の過程を映していく手法は嫌いじゃない。なのでエスターの成長物語としては長いのだが、ラストの主演を演じきるシーン全般は好きである。自分を殴るだけでは飽き足らず、ガラス片まで呑み込もうとする、一本気さがうらやましいのである。女優道にも通じるその精神は才能であろう。まっすぐな人を見るたび、何かをひたすらに追いかけることも才能じゃないかと、思ってしまうのである。