あきらめる努力。

劇団、本谷有希子の「遍路」を木曜日観て来た。
都落ちしたい主人公が実家でやり直そうとするまでを描いているわけだが、実家への帰還を願う切実さは自分にとっても他人ごとじゃない。そこに至る決断をするまでの努力・時間と、実行するまでの努力・時間を考えると、進むも落ちるも地獄である。選択はどちらにせよ、消費エネルギーはどの道を進んでも膨大だ。
地方が色あせてるわけじゃない。都会より短い、リセットできるタイムリミットの問題だ。
緩慢に見える時間の中で、人間関係の虚実も全部呑み込んで生活を進行させる地方の基礎体力は、しかし高い。と思う。