最盛期という単語は嫌いだ。

永遠のマリア・カラス [DVD]

永遠のマリア・カラス [DVD]

この前観た「隣の女」に出演していたファニー・アルダンの美しさに感動して観た一本。私「8人の女」とか「パリ、ジュテーム」も観てたけど、これまでスルーしてた。気づかなかった。
この作品はカラスの後期を扱った作品。自分はカラスをほとんど知らない。だからファニーがカラスに似てるかどうかはわからないけれど、ファニーの一場面一場面の表情がとても印象的だった。ころころと変わる感情と、それに素直についていく自分の表情。その表情を追いかけるのが楽しい。
「最盛期」という言葉に漂う寂しい語感に、ときに耐えられない瞬間がある。そのときそのままの状態をさらすことは、悪か。たとえ人が自分を見切っても、過去にすがっては生きられないというカラスの判断は正しい。
カラス、という人の一端を知ることの出来た作品だった。