新宿は人だらけ。

新宿に映画を見に行くなんて何年ぶりだろう。今日は母と「ディア・ドクター」を観にいった。満員御礼。
良かったもの、余貴美子八千草薫、神和田村の風景。
イマイチだったもの、唐突な結末。
キラキラアフロADの「訳がわからなかった」という感想が、今理解できる。割と多弁な映画だったと思うのだ。直接的な表現はなくとも、わかりやすい伏線がはられているため、時間軸が前後しようと物語の理解は容易だ。穏やかな田舎の風景とは裏腹な早いスピード展開もそれを助けている。(よい悪いは置いておいて)
しかし、あの結末はその流れに逆らって、「謎」というよりも「唖然」という感想を観客に残す気がする。結末は観客の数だけアル、とお決まりの台詞を監督は吐く気なのだろうか。あれだけ丁寧に観客を誘導してくれたなら、最後まで面倒を見て欲しかった、というのがワタシの本音である。
ただ心に残った部分もあるので、そちらも記す。周囲が伊野をはからずも、一人の「医師」に仕立て上げてしまったこと、大いに慕いながら誰一人伊野の素性を知らなかったこと、伊野の秘密がばれた後の周囲の手のひらを返した反応…。次第に浮き彫りになる伊野の孤独が、伊野の失踪の謎よりも一番印象に残っている。