独り語りの罪。
さよなら、サイレント・ネイビー 地下鉄に乗った同級生 (集英社文庫)
- 作者: 伊東乾
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2010/11/19
- メディア: 文庫
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ひと言でいえば、客観的な視点が乏しいノンフィクションである。著者の思い・考えが強く表に出てき過ぎて、実際の豊田被告を浮き彫りにしているとは、とても言えない。
知識、調査結果は確かに十分あるのだが、事象を追う材料として機能していない。それらは、著者があらかじめ設定していたゴールに向けて、披露されているように見える。作品の中の時間軸もバラバラで(狙った構成であろうが)、起承転結が見えない。
ミステリー仕立てにする必要は果たして、あったのだろうか。