負け犬の遠吠えinニューヨーク。

ブロークン・イングリッシュ [DVD]

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コメディかと思ってみてみれば、単純なラブストーリーなり。さわやかでバカみたいな00年代後半の洋画ラブコメが見たかったんだけど。
でも正解。気づけば引き込まれた。不思議エピソードも全てすっ飛ばして、主人公ノラが気に入った。
30代後半、独身、結婚の気配なし。化粧をして身なりを整えれば綺麗だが、家に戻れば頭はぼさぼさで、すっぴん姿はただのオバサン。不安が前触れも無く押し寄せる。ノラは、遊ばれただけなのに一回デートしただけの俳優を、「彼氏」ってみんなに言っちゃう。パーティーもすぐに中座しちゃう。変な占い師の言うことに耳を傾けて、金を払っちゃう。不安定が露呈している。

映画だけでなく、小説・ドラマと割とどこにでも転がっていそうな設定だが、舞台はアメリカ・ニューヨークである。女たちの悩みは、すでに世界共通なのだ。それに泣ける。
女性の持つべき新しい価値観なんて、私にはもう興味もない。それよりも現実がもっと寛容になってほしいと、今の私は思っている。ノラの持つ悩みは確実に、数年後の私にも降りかかってくる。
この映画はどちらかといえば女性に共感を得られるだろう作品だが、果たして男性はこの映画をどう見るのだろう。ノラの悩みに共感できるだろうか、ノラの感覚に対して距離を覚えるのだろうか。
映画ではノラだけでなく、親友のオードリーも良かった。