忘れそうだから、今ここに記す。

DATE: 10/22/2005 02:52:54

たまーにうっかりチャンネルを合わせてしまって、まるで金縛りにあったかのように、テレビの前から身動きが取れなくなり、ついつい見入ってしまう番組がある。ゲストが誰だとか、テーマとか、そのときのメンバーにもよるが。



しゃべり場」だ。



今日のテーマは「居場所」。議論はどこか見たことのあるもので、こういった内容についてはこの番組の中では何度も何度も繰り返されてきたことだ、と思う。10代というか、中学高校という狭い枠の中では誰しもが悩むことだし、そんなものいっくら大人になったって、悩みつづけるものだよなー。とか何とかチャチャを入れつつ、中々チャンネルを変えられない。いつものパターン。



お題出題者は毎回メンバーのきっつい批判、反論を一人でうける訳だが、そのとき側にいる「大人役」(つまりはゲスト)に私はいっつも目が行ってしまう。



で、今晩のゲストはDJのねー・・・誰だったかな。名前を失念。知ってる人なのに忘れてしまった。昔深夜「CDTV」の金曜版に出てたひと。イメージとしてマシンガントークの人だったから、今日の発表者の子の発言ひとつひとつに「うん、うん」と頷いていることが意外だった。



そして、本当にうっかりなのだが、私は涙してしまったのだ。



多分今日の発言者の子、買クン(←確かこんな名前だったはずだ)ていうのは、言いたいことは一杯あったんだけど、それについては議論したいとかそーゆーことではなくて、ただ単純に誰かに聞いてもらいたかっただけなんじゃないかな。彼が一生懸命喋って、たまに目が赤くなって、泣くの必死で堪えてるのがわかるのだが、ゲストの「大人」はそんな彼の話をこれまた一生懸命聞いてくれる。諭しもするが、それは彼の話を肯定した後だ。彼の意見には首をかしげつつ、幼少時の話や中学時代の話にはきちんと共感してくれる。 

もう、そこが駄目だった。いい人だなと思った。

思うのだが、自分を認めてくれる存在があって、人って成長するんじゃないかなぁ。

そしてそういう存在は10代とかそういう微妙な時期にこそ、必要なんだと思う。



いつだったろう、今から3年くらい前か。河瀬直美が「大人」役で出演した時にも、確か私はおんなじことを考えたのだ。

その時もお題は男の子が出して、テーマは「兄弟」だったかなぁ?お姉ちゃんのことが好きなんだけど、お嫁にいっちゃってどうのこうの・・。「身近に相談相手がいない」だったか??あ”−忘れた。思い出せない・・・。とにかくメンバーから痛烈な批判を浴び、彼は確実にひとりぼっちだった。女の子たちが異常に噛み付いていたことだけは記憶にある。その時も彼は、多分だが、自分のどうしようもない気持ちを誰かに打ち明けたかっただけなんだろうなと思った。全く同情は得られてなかったけれども。結局議論は平行線に終わったのだが、最後うなだれる彼に手をさしのべる河瀬がいた。議論中、「うんうん」と相槌を打っていたのも、河瀬だった。

そして、「大丈夫」と小声で彼にささやく彼女に、私はなぜだか涙が止まらなかったのだった。



若いということは時に無鉄砲で、人を傷つけているかも知れないということにも鈍感だ。自分の意見が全てで、なかなか他人の言うことは受け入れられない。私は10代ではないけれど、2・3年前まではそこにいたし、今も彼らと大差ないと思う。

人を認める、受けとめる優しさは強さだ。そして、その強さを持つ、ということが大人なんじゃないか。

私にいま、その器は無いな。自う分で少しずつ作っていかなきゃ、と小さな決心をした午前2時。もうすぐ3時。

長かった、独り言。いいの、これ忘れないために、自分に向かって書いてるから。