突然の再会は永遠の別れなり。

だらーっとしててテレビのチャンネルをぐりぐりと回していたら「しゃべり場」が最終回だった。メンバー替えではなくて番組自体が終了。驚き桃の木何とやらで結局最後は体を乗り出して見ていた。

というのも、私が非常に見覚えのある男の子(というかもう男性)が出ていて、「彼はもしや」と思ったらやはり私が一番見ていた一期時代のメンバーだった。(つまり集中して観ていたのは最初の3ヶ月)喋り方とか悩み方とか議論の仕方とか何にも変わってなくて、でも彼の肩書きはいつのまにかフリーライターになっていて、時間が流れたことをそのことだけがリアルに表してた。旧友に街中で、何の前触れもなく出くわした感じ。驚きばかりが先にたっちゃってもう・・・。

私と彼はそういえば同じ年だった。初めて見たのは私が高2?それとも高3?番組が始まった当初は今みたいに深夜の時間帯に押しやられることなく、夕方の放送だった。部活から帰ってきて今夜みたいにのぺらーっとしてると、勝手に番組は始まったのだった。こんな番組見たことなかったし、自分の思いを良くも悪くも吐き出してることが羨ましかったな。1期の頃はとにかくいろんな人がいて、いろんな意見が出て、たくさんの考え方がそこにそのまま提示されてた。でも2期以降は1期を意識しすぎたのか何なのか、議論が上滑りしていた感じがする。意見も強く言った人が勝っていく、みたいな。あまり強すぎると反発買うけどね、ものは言い方なのねってのもこの番組で学んだ気はする。

大学入ってテレビ見てる間も、10代の議論につきあう気もなくなっていた私は急速にこの番組からは遠ざかるけど、バイト帰りとかはたまに点けっ放しにしてたこともあったよ。深夜に放送時間が大移動していることに驚いたけど。今日の最終回を観て20期を数えるまでになっていたことに驚いたけど、今でも思い出すのは1期の人たちばっかり。・・・一期しか全部観てないからか。そうだよ、リアルにこの人たちとは同年代だった。
今日はその後の卒業生の今の映像も流れてて嬉しかった。結婚して子どももいたり。
自分の中ではうまく処理できていない、自分が経て来た時間と成長を、他人の今を知ることで確かめることが出来た気がする。みんな大人になってたもん。

最後の議論は幸せについて。提案者は冒頭の彼。相変わらずの彼だったけど、私は悩むことを肯定するよ!彼が最後の締めで語ってた言葉は忘れられない。
「時間の流れ方が早くなって、立ち止まって悩むことも受け入れられない。悩んでいたとしても、それを自力で解決するように促される。今日の議論はそうなっていた。時代の流れを感じる」
これもしかしたら相当脚色入ってるかもしれないけど、こんなこと言ってた気がする。言ってた?いや、言ってた!・・・多分。
自分が薄々感じていたことをひょっと口に出したので、びっくりした。それはしゃべり場に関してではなくて、普段生活している場面において。そうなんだよ、悩むことが少しずつだけど「悪」とまではいかなくても、咎められる対象になりつつあるように思える。「悩んでいる前に動け」そーやってごり押しで生きていける人が羨ましい反面、「ふん」と心の中では反発してる自分がいる。
悩みすぎるのはあれだけど、悩むことの効用を考えてみたり。

今日は番組の終了とともに、自分の中でも生ぬるい季節の終了を告げられたんだと思う。
4月から社会人になるけど、自分はまっとうに生きていきたいっす。幸せが何かなんて今の自分にはわからないっす。ホントぺーぺーで、熱く議論してた彼らには申し訳ないけど、こんな自分でも何とかやってますよ。案外幸せってこんなもんなんですかね。