家族の風景。

父の詫び状 (文春文庫)

父の詫び状 (文春文庫)

古本屋で手にした、やっとこさの向田邦子。自分は時間軸的にすれ違っている人だから、妙な感覚のブレがある。向田邦子が戦時を生きた人だというのを、この本を読んで初めて知った。東京大空襲のときの話はリアルである。「ホタルの墓」とはまた違う、庶民という単純な言葉を使いたくないけど、普通の人間があの惨禍の最中どう過ごしたか、何とはなしに教えてくれる。超貴重。
向田邦子のサバサバしつつ、強すぎない感じを見習いたい。