何気ない日々に喝采を。

映画なんて、とここ最近は思っていた。(でも見続けてはいたわけだが)何にすがりたいというわけでもなく、ひたすら修行僧のように映画を自分に注入していた。昔のようにひとつの作品の意味を考えたり、背景を探ったりといった情熱はどこへ行ったのだろう。でもこんな状態の今のほうがもしかしたら、純粋に映画を楽しめるのかも知れないと思うこともある。

①「プラダを着た悪魔
②「みんな誰かの愛しい人

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この週末に観た二本。久々にすっと背中を押されるような、すがすがしくなるような、こんなことをいうと陳腐なのだが「ワタシもそろそろ重い腰をあげねばならぬ」と飛び立つ栄養素をもらった気分。NYとパリじゃ風景も違う。でも根底にあるのが、二つとも共通していて妙なニアミス。「愛だろ、愛」といってたカクテルパートナー・永瀬正敏のコピーをバカにはできん。結局最後に残るのは、男と女とか関係なくヒトとしてのそれかも知れぬよ。

みんな誰かの愛しい人」は何となく、かつて見た作品に似ていた。「何がだろう」とぼんやり考えながら見ていたのだがこれであった。何と監督・脚本・役者が同じ。ストーリーはおぼろげにしか覚えていないが、ほんのりとした幸せに包まれた作品であった記憶が、今も私の中には残っている。

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